
ホテル日航福岡の30周年記念の講演会に夫婦で当たった。
主催者によると5700通の応募で1000人が選ばれたという。
約6倍の倍率を勝ち抜いたのか…
凄いじゃん。
この講演会はチャリティとかで一人1,000円。
池上氏はこの暑い中、もの好きですねと冗談を飛ばす。
主に石油とグローバル化について、最近の状況を歴史を
交えて話をしてくれた。
イランはホルムズ海峡を封鎖するか。
否。
ホルムズ海峡は32kmほどあるが、対岸のオマーンと
中心部16kmのところで区切られている。
各国の船はオマーン側の海域を通行している。
いくらイランでもそれを封鎖することはできない。
テロリストがもしや、ありうるかもだが、国としてはない。
断言するところが小気味よい。
もともと、アメリカはイランの石油が欲しくて、石油の消費を
抑えるために原子力発電の技術をイランに渡した。
イランの核開発の元は、アメリカが作ったものだ。
パーレビ国王時代は親米だったが、あまりの米化で
禁酒のイスラム教国に飲酒はするは、女性が肌を露出するは
で、ホメネイ氏の時代に反米化。
紛争の原因は資源を求めたアメリカが作った。
いまは、シェールガス、オイルが出て世界一の産油国になった
米国はホルムズ海峡の運行を守る必要性がなくなった。
だから、有志連合などを言い出したという。
イランはアメリカから翻弄されている。
話はかわってブレグジット
問題の本質は、アイルランド紛争が再発する可能性。
アイルランド紛争では3500人の死者がでたという。
イギリスは北アイルランドを保有している。南側のアイルランド
はカトリック。北アイルランドのイギリスはイギリス国教会。
このイギリス国教会はプロテスタントと言われるが、要はカトリックでは
離婚ができないという理由から、ヘンリー8世がカトリックを止め
国教会を作ったという。
ルターのプロテスタントとは同じプロテスタントと言っても、性格は
まったく別物。
国王が離婚したいがためにカトリックから袂(たもと)を分かっただけの
私利私欲の産物。
へんりー8世は最初のお妃(おきさき)と離婚して、侍女と再婚。
だが、その侍女とも離婚し死刑にしたという。
その後も何度も離婚を繰り返したらしい。
カトリックの国のアイルランドは北の国教会のイギリス領と南の
カトリックの地域に分断されて、それ以来紛争が耐えなかった。
IRAという組織があったのは記憶にある。
それがEUにイギリス、アイルランド双方が加盟したので、人の往来
が自由になったがために、紛争が収まった。
ブレグジットでイギリスがEUを離脱すると、国境ができて、人の
交流がなくなり、アイルランド紛争が再発する恐れがあるという。
いまは新IRAという組織が実際に爆弾テロを計画しているらしい。
ブレグジットはイギリスの若者からはブレグレットと言われる。
ブレ(イギリスのこと)とリグレット(後悔)の造語。
EU離脱に賛成するイギリスの若者は国民投票に行かなかった。
かたやEU離脱を支持する高齢者たちは投票した。
だから離脱派が勝った。
若者よ投票しよう。と池上氏は呼びかける。
1時間半の講演をフルに使い切って、7時ジャストに終わった。
さすがというしかない。講演のプロだ。
だが9つの大学で教えていて、1000人分の答案を採点するという。
そちらの方が本業という。
テレビやマスコミはその合い間をぬって出ているのだというから
恐れ入る。
池上氏の父親が88歳のとき、岩波の広辞苑を買ってくれというので
買ってあげたら、病床で一頁づつ読み出したという。
恐るべき好奇心。
若さを保つのは、この好奇心だと池上氏はいう。
凄い父親をもったものだ。この父にしてこの子ありか。
大変、有意義な講演会だった。
帰りにJRJPビルの三百歩横丁にある焼き鳥八兵衛
で乾杯。二人で6,000円。
帰宅はバス。タクシーでも良いのに。。。
帰宅して驚いた。
慌てて出て行ったので、取り込んだ生協の冷凍食品を
冷蔵庫に入れるのを私が失念していた。
生協の焼き鳥とレバーがパー!
1,000円も払って講演、聞かなければよかった…妻のつぶやきにめげた。
大丈夫、きっと何とかなる
今日もいい日だった