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これからの男の子たちへ

太田啓子著 2020年
なんでこの本を図書館で予約したか忘れた。
著者は弁護士さんだから理屈っぽい。
じいさんには難しく感じる。

男の子二人を育てるシングルマザー。本人は三人姉妹。
初めて男の子を育てて気づきがある。
小さな頃からの「男の子でしょ」という刷り込み。
これがいろんな弊害をもたらしているというのがこの方の主張。

「男らしさの終焉」(ペリー著)という本に紹介される
男性性の4要素
①意気地なしはダメ②大物感③動じない強さ④ぶちのめせ。
弱音を吐かず、社会的な成功と地位を積極的に追求し、
危機的状況があっても動じずにたくましく切り抜け、
攻撃的で暴力的な態度をとることも含めて、
社会の中で「男らしさ」と言われている。p22

三大問題。
「男子ってバカだよね」
「カンチョー放置」
「意地悪は好意の裏返し」p24
ここにカンチョーが男の子特有ってあるけど、3歳末娘から
私はカンチョーをされたことがある。保育園で流行っている
のだろうと思う。小さい指だから刺さると結構効く!

男の子あるあるの積み重ねが、大人になってからの
男性たちが他人や自分自身痛みに気づけない鈍感さ、
「有害な男らしさ」の遠因になっているかもしれないp28

離婚事案では、「自分に口答えした」という理由で妻を殴ったり、
「誰のおかげで生活できてるんだ」
「文句があるなら俺と同じだけ稼いでこい」などと暴言を吐く
男性をしばしば見ます。
口答えされてかっとなるというのは相手を下に見ているからです。
有害な男らしさと感じますp49

性差別的な言動をする人や組織を減らすには、
大人になってからの教育だけでは遅いp51

自分に内省が向かなくて、他責したり、根拠なく
ストーリーを作ってまで、自分に原因があると考えることから
逃げているというか、できない男性をよく見るp79

大人が強要するジェンダー規範が小学生にも男尊女卑的な
価値観を植え付け、本来のその子らしさを損なっている。
低学年だと男の子たちも教えると素直に反応してくれるp134

子供が自分の負の感情を表出しても、他者が受けとめてくれる
と感じること。その積み重ねこそが、子どもの感情の健全な
発達につながる。
それなのに、「男だろ、泣くな」と言われると、子どもは
自分の負の感情は受け入れてもらえないことを体験的に学び、
その感情を抑え込んでしまう。p138

名門とされる男子校から有名大学に進んだ人たちが、
企業や官庁の中枢で意思決定をするポジションを占めている
状況からすれば、日本社会のジェンダーギャップ指数が
改善しないのは当然かもp142

家父長制に何の疑問も持たず、ハラスメントや
DVしてしまう父親たちは「男らしさ」の呪いに
支配されているから自分人生の主導権を握れていないと思うし、
まったく幸せに見えないp146

「女性を支配することが『男らしさ』の証」といった
「男らしさ」の規範を無理やり実現しようとすると、
一部の男性が性暴力行為に走ってしまうこともp164

セクハラ加害者にさせないためは、
①自分の体も他人の体も尊重する意識を育てる包括的性教育
②性暴力がどれだけ人を傷つけるかを知ること
③性暴力加害者的な発想の萌芽になりそうな表現への
リテラシーを持つことp167

英国政府は「日本は犯罪率は低く、夜の外出や公共交通機関利用も安全」
としつつ、「しかし、通勤電車内での女性への不適切な接触、
痴漢は頻繁である」と警告しているp177
知らなかった。痴漢がこんな風に英国で警告されているとは情けない。

「性欲は本能ではなく、社会につくられた文化に影響される
ところがあります。だからきちんとした性教育が大事になってくる」
村瀬幸浩氏p185

性教育をろくに受けておらず、性的知識が不十分で、
性暴力がわかっていない子どもの目にふれさせないという、
社会全体での配慮は必要p192

オーストラリア政府は「『男の子は腕白でもいい』はDVのもと」
という啓発動画を作っているp218

「男らしさ」の呪いから自由に生きてほしい。
「男性であることの特権」に自覚的になって、
性差別や性暴力を許さないと、男性だからこそ声をあげてほしいp236

要約すれば、
①女性を人間として、ふつうに尊重すること。
②「男らしさ」を競うことをやめ、「男らしくない」人をバカにしないこと。
③自分の孤独や不安を、勝手に自分より「下」と決めつけた他人を
貶(おとし)めることで紛らそうとしないことp255

垣谷美雨さんの小説に出てくる夫が育児や家事もせず仕事人間で、
どこか高圧的。
これは私も含めて日本人男性の特徴と思っていたが、案外、この著者が
言うように小さい頃からの「男らしさ」の刷り込みが
この弊害をもたらしているのかもしれない。

それを是正するには…今の男児を教育し直しても遅いかな。
一世代(30年)では改善されそうにない。

いや、現実には現状を変える必要はないという人も居るだろうから、
もっと時間のかかる気の遠くなる大事業かもしれない。

とても示唆に富む良い本だった。

大丈夫、きっとなんとかなる
今日もいい日だった
お陰さまで
ありがとう
ルンルン
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プロフィール

照

Author:照
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1955年生まれの男性。いまのところ現役(上場企業の非上場子会社監査役)。
健康状態は普通。ジム通い、通勤時ウォーキング(往復1時間)など実践。
長寿リスクに備え、株式投資、投資信託など購入するもはかばかしい成果に恵まれず。
ブログは頭の活性化がメイン。アフィリエイトなども指向するが上手くいかない。
給与生活をできるだけ節約して存命中。
健康に長生きするための知恵を求めてさすらい中。

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